七面堂の好々爺

道徳とか義務とかの話

戦争はまだ終わらんのじゃなぁ…



へっ馬鹿馬鹿しい!
確かに言ってわからん奴にゃあゲンコツの一つも必要じゃろう。
でもなぁ、
それをして良いのは顔も知ってるかどうかも怪しい他人なんかじゃあない。

そいつを近くで見て色んな言葉を交わし合って本当にそいつの事を考えられた奴だけなんじゃ。


一緒じゃあ。戦争なんて、相手の事知れば知る程できなくなる。

今なんか色んな兵器が出来たせいで人を殺した実感なんてほとんどない状態でたっくさんの人殺しが出来るようになっちまった。



殺し合う国とそっぽを向く国。
歪みだらけの世の中で、さも歪みのない永遠のものがあるかのように声を上げるからそうなる。


弱い国のために何をすべきか、なんてなぁ。
そういうモンもおるな。

それが悪いんじゃない。


…ただなぁ、
『道徳』とか、『義務』とか『責任』って言葉なぁ、
ありゃあ、本来今みたいに声に出して字に書いてわからせるもんじゃあないだろう?


わしゃ、あぁいうもんはなぁ、自分達の周りの大人を見て、愛を受けて、育っていくなかで人の心理の中に出来上がるもんじゃと思っとる。
そう、思いたい。


大人も弱くなったなぁ。

子供も。弱くなった。



ほんの少しだ。
もうほんの少しずつ強くありたいよな。

みんな、みんなだよ。


誰が悪いとか、

何をしなくちゃいけないだとか、

どうあるべきだ、

どうであっちゃいけない、

なんてなぁ



そんな事、自分達が気付かなきゃいけなかったもんじゃろう。

他人は、それに気付けるように関わるのが必要なんじゃあないか?


そういうもんだよなぁ。

そうあって欲しいよ。
わしゃあよ。
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