君の味に落とされて。


*****


「佐倉…ナントカっている?」


その声にざわざわと騒がしくなる教室。


あたしはお昼を食べるために唯と、机をくっつけようとしている所だった。


呼ばれたような気がして振り返ると、ドアの縁に寄りかかって腕組みをする玲於先輩がいた。


なんか…様になる立ち方する人だなぁ。


周りにはなんやかんやと話しかける女子がいるけど、体調は大丈夫なのかな。


「ねぇ唯、佐倉ナントカってあたしかな?」


「佐倉なんてこのクラスにあんたしかいないよ」


「だよね、なんだろう、行ってくる」


「行ってら~」


机の上にお弁当を出して準備してから、玲於先輩のところに行く。


「あの…あたしですか?」


「あ、そうそうお前。ちょっと放課後、俺に付き合わない?」


「放課後ですか?」


うーん…今日もたぶんお手伝いがあるけど…少しなら平気かな。


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