君の味に落とされて。
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「佐倉…ナントカっている?」
その声にざわざわと騒がしくなる教室。
あたしはお昼を食べるために唯と、机をくっつけようとしている所だった。
呼ばれたような気がして振り返ると、ドアの縁に寄りかかって腕組みをする玲於先輩がいた。
なんか…様になる立ち方する人だなぁ。
周りにはなんやかんやと話しかける女子がいるけど、体調は大丈夫なのかな。
「ねぇ唯、佐倉ナントカってあたしかな?」
「佐倉なんてこのクラスにあんたしかいないよ」
「だよね、なんだろう、行ってくる」
「行ってら~」
机の上にお弁当を出して準備してから、玲於先輩のところに行く。
「あの…あたしですか?」
「あ、そうそうお前。ちょっと放課後、俺に付き合わない?」
「放課後ですか?」
うーん…今日もたぶんお手伝いがあるけど…少しなら平気かな。