君の味に落とされて。



「大丈夫です。なにかあるんですか?」


「ん~別に。今日助けてくれたから、ただの気まぐれ」


「は、はぁ…」



こう…なんていうか、ふわっとしてるよね玲於先輩。


こういう雰囲気も人気の秘訣なのかな?


「放課後、俺の教室まで来いよ~、じゃあな」


そう言うとひらっと手を振って、玲於先輩はいなくなった。


そして残ったのは、玲於先輩のことを好きだと思われる女子たち。


「佐倉さん…玲於先輩とどういう関係なの!?」


「朝もなんか連れ出したりしてたよね!?付き合ってるの!?」


「ひっ、いや、付き合ってないですっ、わぁ!押さないで!」


怖い!女子怖いよ!


後ずさる場所もなくてアワアワしていると、誰かがぐいっと腕を引いてくれた。


「ゆ、唯…ありがと…」

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