君の味に落とされて。




「俺がいつから後ろにいたと思う?」


「え、ちょっと前とかじゃないんですか?」


「不正解。佐倉が廊下を歩いてる時点で後ろにいたよ」


「ま、マジですか…」


それってあたしが教室に入るか否かしている様子も見てたってことだよね。


うわぁ…恥ずかしい…


「ほんと面白いねー、お前」


くくっと朝聞いたような声で静かに笑うと、玲於先輩は先に歩き出した。


慌てて隣を並んで歩いていると、色んなところから視線を感じる。


やっぱり、ほんとにこの学校の王子なんだなぁ。


今までなんで気づかなかったんだろう。



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