君の味に落とされて。
あたしが特に男子に興味なかったからかなぁ。
暇さえあればカフェのお手伝いして、作り方勉強して、唯にお菓子作って…
そんな感じだったなぁ高1の頃は。
「佐倉、下駄箱ここじゃないだろ」
「あ、ぇあ、ほんとだ」
ぼーっと歩いていたから玲於先輩の後ろを付いて3年の下駄箱まで一緒に来ちゃっていた。
「履き替えてきます!」
急いで2年の下駄箱まで行ってローファーを取り出す。
履き替えて外に出ると玲於先輩がちょっと首を傾げて、
「俺といるのにボーッとしてるとか、なにを考えてんの?男?」
ふっ、とただの笑顔よりも妖艶な表情で言ってきた。
玲於先輩…やばいですね、なにかが。
「特に…なにも考えてなかったです」
「ふーん、なんでもいいけど。あ、今日は佐倉の家に行くから」
「…!?あたしの家!?なんでですか!?」