君の味に落とされて。




「ふぅ…」


ちょっと落ち着いてから戻ると、お母さんが次から次へとケーキを持ってきていた。


「もー玲於くん甘党なのね~!一杯食べて!ケーキ代は純菜のバイト代から引いとくから大丈夫よ!」


「ちょっとお母さん!バイト代から引くのはひどいっ」


「だって玲於くんに払わせたくないもの」


「もー!!」


「…はは」


こんなお母さんだと先輩が引いて…と思ったらそうでもなさそう?


むしろ、なんか楽しそうだ。


「あ、お客さん来たわ。じゃあ純菜、玲於くん帰るときは言ってね」


パタパタと走り去るお母さんと思えないお母さん。


「お母さん…なんか若いな」


「はい…お母さんというか、ちょっと年上の友達って感じです」



先輩は楽しそうに笑うと、チョコケーキにフォークを入れた。


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