嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚85


そこに同じく冥府をさまよっている柏木の声がかぶさってきます。
「私の血筋に似合わずなんと仏道心が篤いことよ」
「柏木か?今に見ておれ。薫が煩悩でのたうち回る姿を」
「そうはさせませんよ。私の子ですから」

      X  X  X
< 89 / 152 >

この作品をシェア

pagetop