~Lion Kiss~
返事は来なかった。

*****

三時間後。

汐留の柚希の家を出て大江戸線に乗ると、私は治人さんの家の最寄り駅で降り、歩き出した。

時間は午後九時を少し過ぎたところだった。

……少し気が重い。

カードキーをしまい、ソッと玄関ドアを開けて、私は息を飲んだ。

治人さんがすぐ前に立っていたから。

「きゃ!」

治人さんはボーッと私を見た。

ううん、私を見たというより、見つめていた玄関ドアが開き、私が現れただけといった感じだ。

「治人さん……」
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