~Lion Kiss~
私は黙って首を振った。

……もう來也を誘惑するような真似はしない。

だって來也と一緒にいてももう、彼を裁きたいという気持ちは微塵も起きなかったから。

*****

買い物から帰ってからも、來也は楽しそうだった。

「お前、朝はパン?それとも米?」

ダイニングテーブルに買ってきた食材を置き、冷蔵庫を開けると來也は私を振り返った。

「來也」

「ん?」

少し斜めから私を見た顔が素敵だ。

……なんなんだろう。

なんで私はこんな美形の男前とここにいるんだろう。

何だかんだで訳ありだから?
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