~Lion Kiss~
來也の焦げ茶色の瞳を、私は夢中で見上げた。

「……來也が?」

返事の代わりに、來也の唇が降ってきて、私は眼を見開いた。

柔らかくて優しい、來也のキス。

じんわりと身体に広がる、何ともいえない安心感。

ふしだらだと思われても仕方がないけど、私は嬉しかった。

ねえ來也。

來也が私にとって特別なライオンなら、私は本当に強くなれる気がするよ。

だからこのキスで背中を押して。

そしたら今すぐ、治人さんとの思い出にすがって生きるのをやめにするから。

そして、誰かを守れる強さをちょうだい。

どうか私に。

そう願いながら私は來也のキスを受け続けた。
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