~Lion Kiss~
その激しさに治人さんのみならず、私も同様に息を飲む。

やがて治人さんは來也から顔を背けると、ガックリと項垂れた。

來也は治人さんの腕を投げ出すように離すと、後ろを振り返って私を見た。

「行くぞ」

ギラリと光る瞳が怖い。

「う、ん」

スーツケースをトランクに積み込むと、來也は私を見て短く言った。

「乗れ」

……それからは全くの無言で、車内の雰囲気は死ぬほど悪かった。

助手席から運転席の來也を見つめると、これ以上ないくらいの不機嫌な横顔で、よくもまあ、こんなにムスッとできるものだなと関心すらした。
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