~Lion Kiss~
私は何だかホッとした。

私が着てもこんな風な感じかのかも。

だとしたら、凄く良い感じじゃん!

脳天気にそんな事を考えていると、彼女は私のすぐ近くまで歩を進めた。

頭の先から爪先まで、私を舐めるように見つめる彼女。

先程の脳天気な思考は、現実を逃避するために脳が無意識に行った結果かも知れない。

私は徐々に、そんなことを考えている場合じゃないと思い始めた。

「わお」

彼女は呟いた。

「……こんばんは」

綺麗な輪郭の小さな顔。

「……」

私は無言で頭を下げた。

「……來也は?」

「まだ、帰っていらっしゃいません」

すると彼女は私が作っていた夕飯の仕度を覗き込んだ。
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