~Lion Kiss~
「や、やだ」

今からあの女子力高めの、來也の彼女と対決する気力はない。

立ち止まったままの私を、來也が斜めから見下ろした。

「ダメだ」

ドSか。

……でも仕方がない。

どちらにしろ、荷物を置きっぱなしなんだから。

私は諦めて歩き出した。

止まることのない涙を拭いながら。

*******

エレベーターの中で、私はずっと來也から離れて俯いていた。

來也もなにも言葉を発しなかった。
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