~Lion Kiss~
柚希が笑った。

『またまたー!私がマヒルの後ろ姿を見間違えるわけないじゃん。バッグだって、マヒルの持ってるやつだったし』

「やだ、私じゃないよ?」

『彼はスゴく背が高くて、ダークグリーンのカバン持ってたよ?』

ドキッと鼓動が跳ねた。

確かに……來也はダークグリーンのカバンを持って家を出た。

嫌な予感がする。

「柚希、とにかく私じゃないよ」

柚希は私がそう言うと、腑に落ちないと言ったように沈黙した。

「柚希、その人の顔、見た?」

『……そう言えばね、私、「マヒル」って呼んだんだよね、六本木交差点で。そしたら、彼だけが振り返ったの』
< 230 / 444 >

この作品をシェア

pagetop