~Lion Kiss~
なんとかトラブルを回避し、私たちが会社を出たのは午後九時を過ぎた頃だった。

疲れた。

駅からの帰り道、夕食を買うためにコンビニへ立ち寄るとスマホが鳴った。

來也かもしれない。

探り当てたスマホの画面に出ている名前は、來也ではなく柚希だった。

「柚希?どーした?」

私がそう言うと、柚希は不満げな声をあげた。

『マヒル、さっき彼といたでしょ?!私今日は、六本木で彼とデートだっていったじゃん!なんで電話してくんないのよ。あんたも六本木にいるんだったら落ち合って飲もうよ!ライオン紹介して!今どこ?!』

……え?

「柚希、私、六本木には行ってないよ。今会社出て、駅降りてコンビニ入ったとこ」
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