~Lion Kiss~
「死ぬのは怖いけど、ドッペルゲンガーには会ってみたいよね。自分にそっくりな人間になんてそう出逢えないし」

私はブンブンと頭を振ると、両手で気合いを入れるかのように頬を叩いた。

「翔吾くん、生中おかわり」

「はあい!」

私は不安を振るい落とすかのように声のトーンを上げて微笑んだ。




****

二時間後、私は柚希と別れて來也のマンションへと向かった。

來也は見たいDVDのレンタル開始日だとか言って、今日は真っ直ぐ家に帰っている筈だ。

その時、

「今晩は」
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