~Lion Kiss~
……もしかして、ヒモなんじゃ……。

あり得るわ、金持ちのご婦人がほっとかないタイプだもん。

……どうでもいいけど。

「早く消せ」

リビングに通された私は呆れて思わず口を開いた。

「……よくもまあ、三ヶ月も消さずにいられたものね。普通、すぐに消すでしょ」

來也は無言でニヤリと笑った。

なに、不気味。

私はバッグからさっきコンビニで買った消ゴムを取り出した。

確か油性マジックって、消ゴムで消せた記憶があるのよね。

案の定、私が書いた『バァカ!』の文字は艶のある素材に救われたのか、難なく消えた。
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