~Lion Kiss~
「ん」

「じゃあ、一生離れんな」

……一生、離さないで。

急に涙が出そうになって、私は來也の腕をそっと外した。

「お水持ってくる。待ってて」

ジワリと湧き出る涙の意味は。

「來也、私の事ギュウッてして寝て」

水を飲み干してから、來也は優しく私を見た。

「どうした?今日は甘えたい気分?」

私は來也に抱きついた。

「ん、甘えたい」

だってなんだか怖いんだもん。

「ほら、シャワー浴びてこい。もう寝るぞ」

「ん」

目に見えない何かが怖い。

このときの私は不安で不安で、來也の身体を抱き締めて眠るより他に、なす術がなかった。
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