~Lion Kiss~
『……見たのか、この部屋』

『見たからには……何処にも行かせない』

『お前はここにずっと住むんだ、俺と』

あの時の來也は少し変だった。

けどすぐいつも通りに私をからかうものだから、きっと冗談だろうと思って気にしてなかった。


『……まあ、あの部屋に入ってよく見て、よく考えなさい、自分の立場を』


ドッペルゲンガーの言葉が、頭の中でグルグルと回る。


彼女の言う『あの部屋』とは、本当にあの部屋なんだろうか。

だとしたら、あの部屋に何があるのか。

確かめなければならない。

確かめなければ。

私は手早く帰り支度を始めるとオフィスを飛び出した。
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