~Lion Kiss~
その他の物も、何もかもが、來也の愛用品と同じものだ。

ドッペルゲンガーの最後の言葉が、私の胸を撃ち抜いた。

『あなたはね、スペアよ』

……スペア……。

あまりの痛さに、私は胸に手を当てて前のめりにうずくまった。

『來也はね、愛する人を亡くして、心に大きな傷があるの。だから、スペアが必要なのよ。きっとあまりにも大きな傷のせいよ』

愛する人を亡くした話なんて、私は聞いたことがなかった。

その傷のせいで、日常的に使うものにはスペアが要るの?

寝室の冷蔵庫も、そのせい?

なら、來也の駐車場の隣の同じ車も、來也のものなの?
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