~Lion Kiss~
「ありがとね」

あれから來也とは連絡を取っていない。

私は荷物全てを持って、何も言わずにマンションから出てきてしまった。

出張先から帰った來也は、荷物と共に消えた私をどう思うだろう。

來也から連絡が来たら、話さなければならない。

私はその時を想像して、小さく息をついた。

*****

その時は定時と共にやって来た。

『焼き鳥、食いにいこう』

來也からのラインにうん、と一言返事を返した。

『俺、帰りにそのまま宮代行くから現地集合な!』

会社から宮代までは徒歩で10分もかからない。
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