~Lion Kiss~
時計を見ると5時30分を指していた。

ああ、ついに来てしまう。

出来れば泣きたくない。

涙を見せたくない。

……冷静に、冷静に。

私は深呼吸をするとゆっくりと立ち上がった。

********

私が宮代に着いて30分後、來也が到着した。

「マヒル」

店内を見回し、店長の篠山さんに軽く会釈をすると、來也は私を見つけてフワリと笑った。

「何杯目?」

斜めに私を見ながら、來也は椅子に鞄を置き、向かい側に座った。
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