~Lion Kiss~
そしてなにより、彼女自身を知りたかった。

彼女はどんな女なんだろう。

……趣味は?

好きな食べ物は?

好きな……男のタイプは?

俺は眼を閉じて彼女の顔を思い返した。

忘れたくなかったんだ。

再会した時、ちゃんと分かるように。

もしも再会してきちんと向き合えることが出来たら、俺はどうするだろう。

真冬だというのに、じんわりと汗ばんだ自分の身体に俺は苦笑した。

彼女との出会いに高揚した自分に、呆れたのだ。
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