~Lion Kiss~
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緑川冴子は顔に似合わずしつこかったが、今すぐ恋人を見せるなら諦めると言い出した。

すぐに俺はマヒルを恋人役にしようと考えた。

マヒルなら、願ったり叶ったりだ。

僅かな時間でも恋人役を演じて、彼女が俺を意識するきっかけになればいいと思った。

なんとかマヒルを説得すると、俺は緑川冴子の待つバーへと向かい、彼女にマヒルを会わせた。

マヒルは、俺の為……というか、10分間5万円の為に必死で恋人役を演じていた。

緑川冴子がマヒルに、俺と真剣に付き合ってるのかと尋ねた時、

『來也さんを深く愛してます。他の人じゃ代わりにならない。來也じゃないとダメなんです』

そう言ったマヒルの言葉と眼差しに、不覚にも俺の鼓動は跳ね上がった。
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