~Lion Kiss~
背けていた顔をこちらに向けて女がそう呟くから、俺は女の唇を指の腹で撫でてニヤリと笑った。

「じゃあ、温めろよ」

「……ぁ、ん」

女が少し眉を寄せた。

俺の人差し指が女の口内でうごめくと、女はキュッと眼を閉じた。

羞恥心を押し隠すためか、感じ始めたからかなのかは分からない。

散々女の口内を指で愛撫すると淫らな唇が艶かしく光り、それを見ていると身体の芯がジンと疼き、俺は女の口から指を引き抜いた。

途端にフウッと眼を開けて、女は俺を真っ直ぐ見つめた。

大きくて潤んだ茶色の瞳。

綺麗な二重瞼に長い睫毛。

女も思うところがあるらしく、至近距離から俺を見つめている。
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