~Lion Kiss~
この夜、俺は初めてマヒルに謝った。

抑えきれずキスした事。

失恋を密かに喜んだ事。

この時マヒルはきっと俺を、親友か兄貴のように思っていたのだと思う。

もしくは、布にくるまれて安心する赤ん坊のように、ただただ僅かな安心を求めていたのだろう。

『一緒に寝て』

独りで朝を迎えたくない彼女の気持ちは何となくわかる。

よほど辛いんだ、こいつ。

俺はマヒルをくるむようにして添い寝をした。

ほんのひとときでも、彼女に安らぎを与えたかったんだ。
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