~Lion Kiss~
たちまちのうちに胸がフワフワと浮くような妙な感覚を覚えて、俺はギュッと眼を閉じた。

……マヒルに会いたい。

早く顔を見て、抱き締めて、アイツの作った晩飯を二人で食べたい。

ところが。

「來也っ」

リビングのドアを開けた俺に飛び付いてきたのは、恵美里だった。

マヒルの姿はどこにもない。

「來也、会いたかったあっ」

……恵美里は俺の会社のスタイリストだ。

わが社は、アクセサリー、服、バッグというように、三点以上レンタルしてくれた客に対し、お気に入りのスタイリストを選び、何通りかのコーディネートを選べるシステムを導入している。
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