~Lion Kiss~
「眼なんか覚めない!!私は別れても結婚しても、來也が好きなの!!」

「もう帰れ。二度と来るな」

恵美里はギリッと俺を睨むと身を翻して出ていった。

恵美里が結婚したのは半年ほど前だ。

それより少し前から、恵美里は徐々に俺を独占したがるようになっていた。

俺はそれをうっとおしく思い、彼女と距離を置き始めた。

現時点で、恵美里との契約はあと二か月間だ。

それが終了したら新しいスタイリストを雇う予定でいる。

再契約はしない。

多分マヒルは恵美里と会い、俺の彼女だと思ったはずだ。

たとえ、特定の恋人でなくても。

……こういう事が、マヒルを遠ざける原因なんだ。

このままじゃダメだ。

スマホと財布をひっ掴むと、俺は玄関へと急いだ。
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