~Lion Kiss~
俺の態度に耐えきれなくなったマヒルが、再び泣きながら出ていくと言い出した。

もしかして、有川治人の元に帰る気なんじゃ……。

ダメだ、行かせない。

本当は泣かせたかったんじゃないし、こんな風にムッとして性悪な言葉を投げ掛けるつもりなんかなかったんだ。

俺は部屋から出ていこうとしたマヒルを抱き締めて止めた。

「……いじめすぎた。ごめん」

本当に俺が悪かった。

好きなんだ、お前の事が。

なのに、お前は線を引いてて。

有るか無いかの線だが、やっぱり線は存在していて、お前は俺との一線を消して越えようとしなくて。

こんなに焦れた事はない。
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