~Lion Kiss~
私みたいなスペアなんて……。

ひどい言葉を聞かされるくらいなら、信号待ちで逃げようか。

私は咄嗟にドアロックの位置を確認しようと視線をさ迷わせた。

その時、來也に右手を掴まれた。

「きゃああっ!」

「叫ぶな」

「だって、急に手を掴むから、びっくりし」

「他の男とキスして喜んでんじゃねーよ!」

私の言葉を遮ってそう言うと、來也は私の手をギュッと握り直した。

「征也じゃなきゃ殴り飛ばしてるところだぜ」

……家族間の問題で、巻き添え食らってるんじゃない?私。

私からしたんじゃないし、なんて言おうものなら殺されそうだしなー。
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