~Lion Kiss~
「有川先輩、ご無沙汰してます。
もしかして、先輩が來也を?」

「偶然エレベーターホールで出会って、助けてくれたの。車でここまで送ってくれて」

私がそう言うと、総二郎さんは深々と頭を下げた。

「ありがとうございます」

「いいんだ」

「入って何分?」

総二郎さんの問いに私は戸惑って治人さんを見上げた。

「処置室で別れてから……20分くらいかな」

総二郎さんは軽く頷いてホッと息をはいた。

「……怪我の原因は、恵美理だろ?」

「……うん……」

総二郎さんは、視線を下げた。

「……もう、邪魔しないって……彼女、凄く泣いて謝ってた」

「……そっか」

それから私達は誰もが無言だった。
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