~Lion Kiss~
*****

どれくらい経ったかはっきり分からないけど、急に奥の自動ドアが開いて、看護師さんと共にベッドに寝かされた來也の姿が見えた。

「病室へお連れしておきます」

看護師さんはそう言うと、來也のベットを押しながらドアの向こうへと消えていった。

「兄貴」

後から出てきた手術着の医師が、総二郎さんの呼び掛けに軽く手を上げた。

「急に悪いな。どうだった?」

「大したことない。刃物は臓器にも動脈にも達してないから安心していい。感染症の心配もないだろう。まあ念のため、一晩入院してもらうがな」

私と治人さんが頭を下げて、総二郎さんがお兄さんの肩をポンと叩いた。

「助かったよ、恩に着る。この事は他言しないでくれ」
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