~Lion Kiss~
「じゃあ、私はこれで」

何もなかったかのようにニッコリと微笑み、踵を返した。

途端に腕を素早く掴まれて、グラリとよろめく。

背中と後頭部が來也の体にぶつかり、私は思わず彼を振り仰いだ。

「お前、独りで焼鳥食べに来たんだろ?どーせなら俺らと飲もうぜ。総二郎元気付けるの手伝って」

切れ長の綺麗な眼が私を見下ろし、清潔そうな唇がやたらと魅力的だ。

だが!!

なんでそうなるのよっ!

私は総二郎とかいう人から見えないように來也だけを睨んだ。

それから來也のネクタイをグイッと引っ張り、至近距離からドスの効いた声で呟く。
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