~Lion Kiss~
「あ、運転手さん、六本木まで」

こらー!!

「なんであんたが行き先言うのよ」

「いーじゃん、どーせ合ってるだろ」

……合ってるけど。

私はツンと來也とは逆の方向を向いた。

「なあ、こっち向けよ」

來也の低くて優しい声がして、私はやけにドキッとした。

何よ、艶っぽい声出したって無駄だからねっ。

私は多少なりとも動揺した事を恥じながら、息を整えた。

それからゆっくりと來也に視線を移して、さも余裕たっぷりに微笑む。

「なに?」
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