~Lion Kiss~
瞬間、來也がニヤリと笑った。

「決まり」

それから私の左手に自分の指を絡ませた。

「もうっ!手は繋がなくていいでしょ?!」

來也は握った私の手を自分の膝に置きながら、フウッと笑った。

「逃げそうだからな、この女豹は」

走ってるタクシーから逃げる女なんてそうそういないわ。

私は無言で窓の外を眺めた。

タクシーを降りると、來也は私の手を引いて歩いた。

「逃げないってば」

來也は無言だった。

暫く歩いて、けやき坂通りのとあるビルの前で、來也は足を止めた。
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