~Lion Kiss~
高級感漂うデザインの入り口を見ると、どうやらそこはバーらしかった。

それからスマホを取り出すと画面をタップした。

操作を終えたスマホをスーツのポケットにしまうと、來也は私を見て声をかけた。

「さあ、仕事だ」

「なんだか、嫌な予感がするんだけど」

「いいから、打ち合わせ通りにしてろ」

その時である。

「……相澤さん」

重厚なドアから、一人の華奢な女性が現れた。

上品なベージュのスプリングコートに、有名ブランドのハイヒールを履いている。

因みに私が欲しかったやつだ。

コテで毛先をゆるく巻いていて、可憐な顔立ちを一層際立たせている彼女は、申し分のない美人だった。
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