~Lion Kiss~
離れようとしても來也の力は強く、身をよじることも出来ない。

「……っ、來……」

僅かに離れた唇の隙間からやっと名を呼ぼうとした時、

「もういいわ」

カツンとヒールの音が響き、彼女が私たちに背を向けたのが分かった。

足音が遠退き、やがて完全に消えた。

消えたのにっ。

もう、いつまでやってんのっ。

來也は私を抱き締めたまま、唇を離さない。

荒々しい仕草とは裏腹な、優しい、誘うようなキス。

ちょっと、待って。

な、んで……。

なんだか、身体の芯が熱くなるような感覚に自分自身驚く。
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