~Lion Kiss~
しかしなんだこの芝居は。

内心、今すぐにでも立ち去りたい気分だった。

でもだめ、5万円だから!

五万円を足しにして、治人さんにプレゼント買うんだから!

そんな私を見て、來也は私を抱き寄せた。

「マヒル、マヒル」

荒々しく私の後頭部に手を回すと、來也はグッと私に顔を寄せた。

はあっ!?

來也の唇が私の唇と重なり、驚きのあまり眼を見開く私を、彼は緑川さんの視界から隠した。

ち、ちょっとっ……!

來也はチラッと私を見ると、構わずにキスを続けた。

彼の舌の感覚に心臓が跳ね上がり、全身の血が逆流しそうだった。
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