~Lion Kiss~
カチャリとバックルの音がして、私は息を飲んだ。

「早く脱いで。脚開いて、マヒル」

まるで別人だ。

私は目眩がした。

必死で身を起こそうとするのに、布団に肘が沈み、思うように身体が動かない。

きっと恐怖も手伝ってる。

もがく私に治人さんが覆い被さり、彼は乱暴に唇を寄せた。

「いっ……!」

ガチッと衝撃が走り、唇が痺れるように痛んだ。

驚いて口を閉じる私を、治人さんが睨んだ。

「口開けろ」

私の頬を片手で掴み、膝を割って自分の身体を押し付けてくる彼は、もはや私の知っている治人さんじゃなかった。
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