~Lion Kiss~
冷ややかでありながらその瞳は虚ろだった。

「治……」

言葉の途中で腕を掴まれ、その痛みに早鐘のように鼓動が響く。

「治人さん、痛い……」

治人さんは瞬きもせず私を凝視し、無言で奥へと歩き出した。

急かすように私を先に歩かせて、彼は荒々しく寝室のドアを開けた。

「脱いで」

凄い勢いで私をベッドにつき倒して、彼は冷たく言い放った。

「え?」

聞き間違いかと思ったけど、そうじゃなかった。

私を見下ろしながら、治人さんは手早く上着を脱ぐとベルトに手をかけた。
< 78 / 444 >

この作品をシェア

pagetop