~Lion Kiss~
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当たり前だけど、治人さんは出勤していて留守だった。
手早く化粧を済ませ、大きめのバッグに身のまわりの物を詰め込むと、私は急いで会社へと出掛けた。
「おはようございます……」
「藤吉、おはよう。風邪でもひいたの?」
隣の席の中川君が、マスク姿の私を見て心配そうに眉をひそめた。
「ん、まあそんなとこ」
「今日は定時で帰りなよ?こないだ手伝ってもらったし、今日は俺が頑張っとくからさ」
「ありがと。何種類かの買取期限の確認して、輸入貨物の納期調べたら、後は昨日の書類作成の続きなんだ。定時であがれそう」
「そう?無理すんなよ」
当たり前だけど、治人さんは出勤していて留守だった。
手早く化粧を済ませ、大きめのバッグに身のまわりの物を詰め込むと、私は急いで会社へと出掛けた。
「おはようございます……」
「藤吉、おはよう。風邪でもひいたの?」
隣の席の中川君が、マスク姿の私を見て心配そうに眉をひそめた。
「ん、まあそんなとこ」
「今日は定時で帰りなよ?こないだ手伝ってもらったし、今日は俺が頑張っとくからさ」
「ありがと。何種類かの買取期限の確認して、輸入貨物の納期調べたら、後は昨日の書類作成の続きなんだ。定時であがれそう」
「そう?無理すんなよ」