~Lion Kiss~
「生活はすれ違いぎみだったけど、いつも通り穏やかで優しい彼でした。それが突然……」

菜穂さんがピシャリと言った。

「しばらく私の家にいなさい」

「菜穂先輩に、そんなご迷惑おかけできません」

すると、菜穂さんは笑った。

「彼が冷静になって謝罪してくるまで、うちにいればいいわよ。遠慮しないで」

私は胸が熱くなる思いで菜穂さんに頭を下げた。

頼れる先輩がいて、幸せだと思った。

*****

その時はほどなくしてやって来た。

定時前、治人さんからラインが入ったのだ。

「菜穂さん、あの……」
< 98 / 444 >

この作品をシェア

pagetop