~Lion Kiss~
おずおずとスマホの画面を差し出すと、菜穂さんは眉を寄せた。

「すまなかった。話し合おう……か。大丈夫?」

「わかりません……けど、このままでもいられませんし……」

菜穂さんは心配そうに私を見た。

「気を付けてね。スマホは肌身離さずに持ってなさいよ」

*****

定時後、私は駅へと急ぎ、電車に乗ると治人さんのマンションへと帰った。

ソッと玄関ドアを開けると、治人さんの靴が見えた。

廊下を奥へと進むと、リビングのソファに治人さんの姿を見つける。

私の気配に、治人さんがゆっくりと振り向いた。
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