密室の恋人
「さっき、エレベーターが止まりかけたというのは本当です」
と言うと、うん、と社長は頷く。

「今、聞いたんだが、一瞬、誤作動があったと、エレベーター会社から連絡があった。

 点検に来るそうだ」

「そうですか。
 あの、エレベーターの中って、防犯カメラついてましたよね?

 もし、よろしかったら、録画したものを見せていただけませんか」
と言うと、社長は深くは訊かずに、

「いいだろう」
と言い、すぐに内線で何処かに手配していた。

「うちの警備員室でも録画内容は見られる。

 好きなときに行ってみなさい。

 総務の方にも仕事を抜けてもいいように話を通しておくから」
と言われ、

「ありがとうございます」
と頭を下げると、ようやく社長は微笑んで言った。

「君を薫子さんが気に入ったわけがわかったよ」

「え、何故ですか?」
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