僕はそれでも恋をする
「純粋……?」
疑問符だらけの私に、フミちゃんはクスッと笑って。
「あんたみたいにさ、真っ直ぐ追いかけていたかった」
私には、フミちゃんの言う真っ直ぐさが分からなかった。
だけど、フミちゃんが辛さを隠しているその笑顔が、なぜか私は耐えられなかった。
なぜって問われても、分からないんだけど。
「フミちゃん、あのね……私。幸せになるから」
嫌味かもしれない。
きっと良い印象はない。
だけど私がフミちゃんに言える言葉は、その一言だと思った。
フミちゃんは応援してくれた。
私の事が嫌いでも、フミちゃんは私をこんな幸せな時間へと導いてくれた。
本当に、優しい人だな。
「……。幸せにならなかったら絶交ね」
「え! そんなの嫌だよ! 私絶対幸せになる! チトセちゃんと一緒に!」
「あんた声でかすぎ……」
「あっはは、なっちゃんはフミちゃんのこと大好きだね〜」
これから、どんな日常になるんだろう。
数年ぶりの、桜も満開の春。
目を瞑って柳瀬君のあの笑顔を思い返した時、ふわりと懐かしい匂いがした。