僕はそれでも恋をする
「ねえ、思ったんだけど」
ここはデートスポットで有名な観光地。
ではなく、どこにでもある本屋さん。
「なにー?」
そして今、私は柳瀬……春人と一緒にいる。
本屋さんに。
「えっとさ、私達……付き合ってるんだよね?」
念のために、確認は大切。
「うん。両想いだし」
「一昨日は……楽しかったね」
遊園地、色々あったけど楽しかった。
「僕も楽しかった。また行こうね」
…………。
「で、今日は……初デートだよね?」
その一言でようやく、春人はたくさん並べられた本から目線をこちらに向けた。
「初デートだねっ」
天使のにっこりスマイルに、不覚にもドキッとしてしまった。
ってそうじゃなくて!
「なんかこれ変だよ!」
「えー? なんで?」
ポカーンと首を傾げる春人に、憎さより可愛いと叫びたい衝動に駆られる。
「初デートって言ったらさ! もっと、こう……デートらしいところに行くのかなって」
「例えば?」
「う、例えば……喫茶店とか映画館、とか?」
「ありきたりだね」
ありきたりじゃないデートってどこ行くの!
「僕、デートは計画性を持つと楽しめない気がする。どこかに行くのが楽しいじゃなくてさ、僕は渚と一緒にいれたら本屋だって世界遺産だよ」
すっごく可愛くて嬉しいのになんでだろう。
全く意味が分からない。
そもそも春人、本屋は元から好きなんじゃないのかな?
現に、何冊かの本をもう手に持っているし。
「ごめんね春人。説得力が……」