切れた・・絆
八話

•••手放さない


翌朝、真飛は佳希にキスをして
起きた。

佳希も、目を覚まし
「おはよう、真飛。」
「ああ、おはよう、佳希。」

二人は、シャワーを浴びて
佳希は、一度マンションへ
戻り着替えて出勤した。

相変わらず、真飛は佳希以外に
興味はないが、少し表情がでた
と、言われていた。

今夜は実家に帰る。
 
お母さんには、話をしていた。
お父さんには、お母さんが
それとなしに話しているだろうが。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
「お母さん、こちら、星野真飛さん。」
「はじめまして、星野です。」
「ようこそ、いらっしゃいました。
どうぞ、上がって下さい。」
「はい。お邪魔します。」

中に入ると、お父さんが座っていた。

真飛は、
「はじめまして。
私は、大学病院で外科医をしています。
星野 真飛と申します。
この度は、急にお時間を頂いて
申し訳ありませんでした。
早急にお会いしたかったので。

改めまして、
私に、佳希さんを下さい。
全て、わかった上で申しています。
勝手でしたが、昨夜婚姻届も提出
しています。
後は、ご両親の許可を頂くだけです。」
と、頭を下げて言った。

お父さんは、
「この子には、辛い思いをさせました。
星野さんは、全てを知っていて
お腹の子、ともども、佳希を
愛して頂けると」
と、少し心配そうに話すと

「はい。たとえ、容姿が違っていても
佳希のお腹の子は、私の子です。
私は、そんなことぐらいで、
佳希を手放す気は毛頭ありません。
私の全身全霊をもって
佳希もお腹の子も、
この先できるであろう子も愛し、
守って行きます。」
と、言う真飛に
「ありがとう、本当にありがとう。
佳希を、お腹の子を
よろしくお願いします。」
と、父は涙を流した。
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