切れた・・絆

•••生き返ろ


真飛は、新生児室に彼を連れていき
赤ちゃんを見せた。

看護士さんに頼んで
ちょっとだけ、出してもらい

赤ん坊を彼の腕に抱かせた。

彼は、びっくりして
真飛の顔と赤ん坊を
交互にみていたら
赤ん坊が目を開けた。

すると、彼の目から
ボタボタ‥‥‥と、涙が溢れ·····
彼は、
「ありがとう。
ありがとうございます。」
と、何度も頭を下げた。

「ああ、俺の子で、輝飛(らいと)だ。
お前、生き返ろ、いつまでも死んでるな。」
と、真飛は言った。

彼は、赤ん坊をギュッと抱き締めて
「はい、必ず。」
と、言ってもう一度
頭を下げて帰った。

真飛は、赤ちゃんを看護士さんに
返して、お礼を言って
病室に戻った。


その様子を、
両家の両親は、黙って見ていた。

みんなの目には、涙がたまっていた。

やはり真飛さんは凄い人だと
後々、母から聞かされた。

やはり、私の愛した人が
この人で、良かったと、
しまじみと思った。
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