嫉妬深い狼と同棲生活?!





「圭斗くんやるねぇ〜。」

「は?…あぁ、この子知り合いの娘さんなんだよ。」





お前が考えてるようなことは何もしてないから。
と濱崎さんが店員さんにはっきり答える。


店員さんは目を丸くしながら
そうなんだ〜と言って、私を見る。


……?






「えと…今おいくつですか?」

「えっと…17です。」

「…え?!」





店員さんは私に歳を尋ねると
答えを聞いて目を見開きながらビックリする。

そして私はその声にビックリする。






「俺てっきりタメくらいかと思っ…
そっかー現役JKなんだー!」





と店員さんが笑顔で私の顔を見る。

えっと、これはどう反応すれば…





「ユズキ、ちゃんと仕事しろ。」

「あ、すんません。
コウキくんもうすぐ来ると思うんで
それまでに何かあったら俺に声かけてください。」




困っていると、それを見ていた濱崎さんがすかさず助けを出してくれた。

そして
ではごゆっくり〜、と店員さんは私たちのテーブルから離れる。



それと同時に濱崎さんが少し不機嫌そうに無表情でテーブルに肘をつく。

そして小さくため息を吐いた。






「ごめんね、あれ俺の後輩。」

「あ、そうだったんですか…!
いえいえ全然大丈夫ですよ。」





と返すも
濱崎さんは納得がいかないのか
まだ少し無表情のまま黙っていた。


私はそんな濱崎さんを気にしつつも
メニューを開いて眺める。


良かった…ちゃんとソフトドリンク用意されてた…。


バーだから無かったらどうしよう
なんて考えていたけど、心配いらなかった。






「……あ。」

「…?」





濱崎さんが何かに気づいて顔を上げる。

何だろうと思って私もメニューから顔を上げると
私たちのテーブルの前で
先ほどとは別の男の店員さんが立ち止まる。





「待たせたな圭斗。7時前までバー担当で今交代してきた。」





その男の人はどこか雰囲気が濱崎さんに似ていて
落ち着いたクールな感じの人だった。

見た目は濱崎さんとは逆で金髪だし
髪は少し長めで長身。

でも見た目に反して
どこか優しさが滲み出てるところがあった。




「よぉコウキ。お疲れ。
…えっと、こいつは高校の友達のコウキ。」

「こんばんわ。初めましてコウキです。」





と優しく微笑まれる。

やっぱり、ここも濱崎さんと似てる。
笑い方。

2人を見て、仲良い友達とは似るものなんだなぁって思った。





「こんばんわ。坂田ユカリです。」

「ユカリちゃんね。どうぞよろしく。」






「………。」






そんな私とコウキさんのやり取りを
濱崎さんが静かに眺めていた。




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