嫉妬深い狼と同棲生活?!






「へぇ〜、今高校2年生なんだ。
1番楽しい時期じゃん。どう?学校。」

「すごい楽しいですよ。」

「いいなぁ。修学旅行は?まだ?」

「まだです。来月行ってきます。」

「そっか、すごい楽しいから楽しみにしときな。」





私はしばらくコウキさんと話していた。

たまにコウキさんが濱崎さんにも話を振るけど、濱崎さんはただ「だな」とか「あぁ」とか
軽い返事しかしなくて
少し様子が変だなぁと思っていた。



そして私がコウキさんと話していると
濱崎さんが突然





「---コウキ、ブラックくれよ。」

「え?」





と注文をした。

コウキさんは私との会話を中断して
濱崎さんに向き直る。





「ブラック?でもお前---」

「いいから。くれよ。」





コウキさんが何か言い終わる前に
濱崎さんが乗っかるように言葉を投げる。

声のトーンもいつもより低い気がするし
いつも以上に表情が冷たい濱崎さん。




(どうしたんだろう…?)




私、コウキさんと話すぎた?
濱崎さんもコウキさんと話したかったのかな…悪いことしたかも。


と自分の中に心当たりを探して
私は少し考えていた。

その間も濱崎さんは不機嫌そうに
店内を見つめていて
私は余計に気まずさを覚える。




「…お待たせしました、ブラック•ルシアンです。」





そうしてすぐに持って来られたのは
黒っぽいカクテル。

ブラックって言うからコーヒーかと思ったけど
お酒のことだったんだ…。





「濱崎さん、お酒珍しいですね。」

「ん…まぁね。」





と言ってすぐに口をつける。

普段お酒なんて飲まない濱崎さんにしては、かなり珍しい光景だった。

私が一緒にいる間…少なくてもこの半年の間に家で濱崎さんがお酒を飲んでる姿は1度も見たことがない。





「ユカリも、ご飯好きなの頼んでいいよ。」

「あ、はい。ありがとうございます。」





そう言ってメニューを差し出す濱崎さんからそれを受け取って
メイン料理を眺める。


…でもやっぱり今日の濱崎さん珍しいなぁ。

私は何か少しの違和感を覚えながらも
濱崎さんに言われた通りに
メイン料理を注文した。







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